親から譲り受けた着物

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名古屋展の会場でのこと。
70代のお客様にこんなお話を聞きました。
親から譲り受けた着物を着ないし、置く場所ももったいないしと、捨てることを決心してビニール袋に入れてゴミの収集場所へ持っていったそうです。
その袋を置いてこようとした時、なぜか自分の娘の顔が浮かんで、、、と
声をつまらせました。聞けば、ご自分のひとり娘さんは結婚はしていたけれど
3年前、47歳という若さでがんで亡くなってしまったのだそうです。話せば悲しくなるからとおっしゃいながら、そのお話は続きました。結婚のお相手は有名なお医者さまだったそうで、行った先で娘が恥をかかぬよう、困らぬようにと精一杯いい着物を揃えてお嫁に出した。でも、その着物がほんと悲しいことに着られることもなくそのまま親の私のところへ戻ってきてしまったの、、。娘の事を思うと今でも気が狂いそうになる、、、と涙を滲ませました。
そして、同じ親として母の気持ちを思ったらそのビニール袋は置いて来れなかった。しっかり抱いて持って帰ってきました。と話してくれました。

着ることが少なくなった日本の着物。
着物だからこそ、あたたかく心が繋がるお話が紡ぎ出されるのかもしれません。

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